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 ディフューザ旋回失速に関する研究

近年、SDGs(持続可能な開発目標)が世界的に推進される中で、ターボポンプを含む各種産業機械においても高効率化が強く求められています。遠心ポンプはその一種であり、高効率運転を実現するために、インペラ出口で得られた運動エネルギーを静圧へと変換する目的で羽根付きディフューザが採用されます。

羽根付きディフューザの設計においては、エネルギー変換効率の向上に加えて、流体不安定性の抑制が重要な課題となります。特にこの構成では、失速現象が発生しやすく、それが周方向に移動することで振動を引き起こします。この不安定な現象は「旋回失速」と呼ばれており、ポンプの信頼性や性能に悪影響を及ぼす要因となっています。

私たちは、旋回失速の発生を抑制しつつ高効率を維持可能なディフューザ設計の指針確立を最終目標とし、実験および数値解析の両面からアプローチを行っています。

実験面では、数値解析では再現が難しい壁面逆流構造を可視化するために、多色油膜法を用いた分析をしています。これにより、逆流の発生が旋回失速に与える影響の大きさを明らかにすることができました。


数値解析では、3次元的な流れ場の詳細な解析を通じて、複雑な内部流れ構造の理解に努めています。

さらに、旋回失速の抑制手法の確立を目指し、以下のような複数のディフューザ改良案を提案・検証しています:

 

これらの成果は産業応用も視野に入れており、2件の特許を取得しました!
特許第7401065号特許第7656769号

*日機装株式会社との共同成果です

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