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 ガスタービンの翼間流れに関する研究

 地球環境保護の観点から地球温暖化における対策が進められています. その中でも全CO2発生量の40%を占める発電部門からのCO2削減が重要視されています. 

 その有効な手段として現在ガスタービンコンバインドサイクルによる発電が主流になっています.また,高温ガスタービンによる効率向上のための研究が進められており,1600℃の高性能機の実用化が達成されるとともに,更に需要を満足するために,従来のLNGだけでなくシェールガスの輸入による活用も計画されています.

 ガスタービンとは, 圧縮機,燃焼器,タービンで構成されており,圧縮機で空気を圧縮して燃焼器へ導き,そこで燃料を噴射し燃焼させて生じた高温高圧ガスをタービン翼に当てて軸動力を発生させる内燃機関です.

そのガスタービンの高効率化の方法として, タービン入口温度の高温化があり,それに伴う高負荷タービン翼の開発が進められています.

 しかし高負荷化によりタービン翼の転向角が大きくなり,入口境界層が翼前縁と干渉して生じる馬蹄渦が強くなります.これが原因で生じる2次流れ損失の増加により,空力性能低下を引き起こします.

 本研究では,高負荷タービン翼の損失低減を目的に,実験装置として翼列風洞装置,それに設置した翼列内部流動計測装置を用いて,翼列内部の馬蹄渦の流動を計測するとともに,可視化実験装置を用いて煙により翼列内の渦の可視化を行い,翼列内部の流れを把握します.また、境界層ピトー管により翼間流路のキャンバー上における主流の全圧を計測することで二次流れ強さの計測実験を行います.

以上の実験結果から,境界層フェンス最適化,エンドウォールコンタリング最適化,3次元翼形状最適化といった損失低減手法を考案し,圧力損失分布を計測することで低減効果を検証しています.

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馬蹄渦の挙動.png
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